眠気が起こるのは基本的に生活習慣などが原因とされていますが、長い期間眠気が起こりやすく困っているのであれば病気という可能性もあります。大体2、3ヵ月経過しても日中の眠気があったり、突然強烈な眠気に襲われたりするようなら受診することをおすすめします。

ここでは眠気が症状に含まれている病気についてご紹介していきます。

・ナルコレプシー

・突発性過眠症

・症候性過眠症

・反復性過眠症

・原発性過眠症

・睡眠時無呼吸症候群

・PMS

・糖尿病

・うつ病

いつもと違う眠気が起きたり、いつまでもだるさが続く場合はこれらの病気である可能性があります。必ずしも眠気が強く出るわけではないので、他にも気になる症状がないか確認しておくと医師に相談しやすいです。

また、しっかり寝ているはずなのに強い眠気が起きて生活に支障が出る…という場合は過眠症が疑われます。

・寝ても眠気が取れない

・生活に支障が出るほどの眠気

・睡魔に負けて急に寝てしまう

などの症状があれば早めに受診しましょう。

次に、それぞれの病気についてまとめているので参考にしてみてください。

ナルコレプシー

突然睡魔に襲われてしまう病気

の1つがナルコレプシー。ナルコレプシーとは眠りの発作という意味があり、どんなに睡眠を取っていても眠気が起こるのが特徴的です。日本人は世界の中で最も発症しやすいと言われているので、そこまで珍しい病気ではないでしょう。

・日中に眠気が起こり、突然眠ってしまうことがある

・情動脱力発作が起こる

・金縛りによく遭う

・入眠時幻覚がある

このような症状がある場合は要注意です。

情動脱力発作とは、気持ちが昂ぶり興奮すると起こる発作のことで、

・首がうなだれる

・膝を力が入らない

・まぶたが下がる

・舌が出たり呂律が回らなかったりする

などの症状が現れます。酷い場合は全身の力が抜け倒れ込んでしまうこともあり危険です。症状の出方は様々ですが、数秒から数十秒で落ち着くので焦らないで対応しましょう。

入眠時幻覚とは、寝始めてすぐに夢を見始め、人の声が聞こえたり気配を感じたりして幻覚が表れることです。

特発性過眠症

ナルコレプシーと似ていますが、特発性過眠症は眠気を我慢できるという点が違います。

症状は、

・昼間に1時間以上居眠りしてしまう

・目が覚めてからもボーッとしてしまったり眠気が続いたりする

というもので、夜には長時間睡眠を取っているケースもあります。どれだけ寝てもなんとか我慢できるほどの眠気が継続する場合は特発性過眠症が疑われるでしょう。

反復性過眠症

過眠症の中でも稀な病気で、男性が発症しやすいと言われています。

・強い眠気が続き、自然と症状が軽くなる

これが繰り返す場合は反復性過眠症の疑いがあります。不規則なタイミングで症状が出るため、眠気が強まる期間が数日だったり2、3週間だったりと予測がつきません。また、1日のうちに15、16時間以上も眠ってしまうと言われています。原因がわかっていないので治療に時間がかかることが多いです。

一度反復性過眠症と診断されると十数年ほど症状に悩まされるとされていますが、症状が軽くなるように予防をすることはできます。

睡眠時無呼吸症候群

眠ている間に10秒以上呼吸が止まっている状態を無呼吸と言います。その無呼吸が睡眠中に30回以上起こると睡眠時無呼吸症候群と診断されます。また、1時間に5回以上無呼吸を起こしている場合も当てはまるので覚えておくといいでしょう。

寝ている間の出来事ですので、無呼吸になっているかどうか自分ではまず気づけません。1人暮らしの場合や同じ部屋で眠る人がいない場合は、カメラで睡眠中の様子を撮影するなどしない限りはわからないでしょう。

睡眠の質が落ちてしまい疲れが取れない状態に陥るため、目覚めがすっきりとせず、日中も倦怠感や眠気に悩まされます。毎日のように眠気が起こり生活に支障が出ることが多いです。しかし、睡眠時無呼吸症候群は治療方法が確立されている病気ですので心配はいりません。しっかりと治療することで元の生活に戻れます。

逆に、睡眠時無呼吸症候群と診断されたにもかかわらず放置しておくと他の疾病につながる可能性があります。命に関わる疾病もあるので、

絶対に放置せず医師の指示に従う

ようにしましょう。

概日リズム睡眠障害

体内時計が乱れている状態に陥ると概日リズム睡眠障害と診断されることがあります。この睡眠障害は生活リズムが不規則になってしまうことで起こります。海外から帰ってきて時差ボケを起こしたり、交代勤務制の仕事をしていたりすると概日リズム睡眠障害になってしまうリスクが高まるのです。

眠りたい時間に眠れなくなったり、起きなくてはいけない時間に起きられなくなったりするので生活に支障が出てしまうでしょう。

・夜に眠れない。

・日中に眠気が起きる。

・集中できなかったりして作業効率が悪くなる。

・倦怠感がある。

・食欲不振になっている。

このような症状が出ている場合は自分の生活について見なおしてみましょう。夜に眠れず朝方眠ると、起きるべき時間に目が覚めず、昼間まで眠ってしまうこともあります。しかし、無理に起きても日中体がだるくなり眠気が起きてしまうので注意が必要です。

むずむず脚症候群

寝ようとしたら足がムズムズして眠れないという経験はありませんか?それはむずむず脚症候群の仕業かもしれません。

脚の皮膚などの表面ではなく、足の中のどこかにザワザワとした感覚やピリピリとした違和感、むずむずした痒みなどが生じる病気です。不快感が強いため、眠れない、眠っても目が覚めるといった睡眠障害につながります。

足を叩いたり、掻いたり、寝返りを打ち続けたりしても治まらないので、重症化するとじっとしていられなくなります。そして動いたりしても落ち着かないという状態に陥ることもあるのです。

症状が軽い場合は、起き上がって冷たい水を飲むなど意識を他に移すことで治まることはあります。どうしてむずむず脚症候群になるのかは解明されていませんが、鉄分が不足することで脳に異常をきたし、そのせいで体に違和感を感じるようになるとむずむず脚症候群になるのではないかと考えられています。

周期性四肢運動障害

足や腕が素早くピクッと跳ねたり、ピクピクと動いたりすることで睡眠不足になる病気です。四肢の動きによって途中で目が覚めなくても睡眠の質は下がります。自分ではなかなか気づきませんが、朝起きた時にスッキリとしないことが続くのであれば周期性四肢運動障害の可能性はあるでしょう。

睡眠時随伴症

眠ろうとした時、睡眠中、寝起きに起こる不快な症状のことを総称して睡眠時随伴症と呼びます。代表的なものには、

・睡眠時遊行症

・夜驚症

・レム睡眠行動障害

などがあります。どれも睡眠を妨げ、眠りの質を下げてしまうため疲れが取れず日中も眠気が襲ってしまうのです。

こうした病気の疑いのない場合は、こちらの原因別や悩み別に見る眠気対策とはをご覧下さると良いかと思います。しっかり対策して健康な人生を送りましょう。